ラヴァーズ
「おはよーぅ、冬威!!また別れたって?」
「あぁ、おはよう、そして近寄るな」
「なんで!?なんで和井田と別れたのそして近づいちゃダメなの!?」
「朝から鬱陶しハイテンション乙」
「乙!?千歳くん泣きそう!教室の壁にぶつかった痛さも相乗効果だよ!!」
次の日の朝、教室に入った矢先、友人(親友)の風雅千歳(フウガチトセ)が喧しくオレに飛び付いてこようとした。もちろん避けた。いつもは蹴りかカバンで弾き飛ばすだが、今日は怠かった。
「冬威くんたら、ほんとにつれないわねん」
つん、と頬をつつく千歳の腕をつかみ引き寄せる。
「キスしてやろうか?」
「ひぃい!!」
顔を近付けると千歳が顔を真っ青にしてあとず去った。机がいくつか倒れた。
「あははは!!」
「朝からイチャイチャすんなよな~」
「冬威サイコー!」
「千歳くん乙カッコ笑い!」
オレは無表情に自分の席へむかう。懲りずに、かすかに引き気味の千歳がオレの机の前に立った。
「おまえ、真顔でやめろよな~…」
つか、乙カッコ笑い!じゃねーよ…、とかいってぶつくさ唇を尖らせて文句をいってる千歳に俺は無表情で返す。
「今日のオレは機嫌がいい」
「嘘くせぇつか嘘!!」
「嘘だと思うなら少しはテンションと声のボリュームを下げろ」
そう言い放つと千歳はちぇ、といってオレの前の席の椅子を引いて無断で座る。金澤に鞄で頭殴られるぞ。警告はしたからな。
「……なんだよ」
「なんで、別れたんだ?」
「むこうからだ」
千歳は深くため息を吐くと頬杖をついて呆れたと言った風な顔をした。
「…何人目だよ…」
「…いちいち数えてない」
「オレだってこの半年で二桁こえたときに数えるのあきらめたよ。ぶぇっ!?のすあいれすっ」
「ちょっと、風雅くん邪魔」
「か、金澤…」「おはよ、井川」「おはよう、金澤」「はやくどいて、風馬鹿」「俺の名前は風雅っ!」
とかいいながら渋々その席から退く千歳。金澤は鞄から出していた教科書を机に詰め込んで、鞄を机のフックに掛けると「もういいよ」といって友達のところまで行ってしまった。
「警告はしたぞ」「は?」
「華月と…そんなに付き合ってたか?」
「…あぁ……今回は、三ヶ月も続いたからさ、もしかして諦めたんじゃねーか、っておもったのにな」
千歳がはぁ、とため息。俺は千歳の鼻をつまんでねじった。いたい、いたいいたい、と鼻声で言う千歳。鼻から指をはずす。
「…まだ、あの子を探してんのか?」
鼻をさすりながら訊ねてきた千歳をまっすぐみた。
「…………」
でも、心配そうな千歳の顔を見ていられなくて、顔をわざわざ下に向けて机のなかに教科書を入れる。
オレは、雪夢を愛してるんだ。
「あぁ、おはよう、そして近寄るな」
「なんで!?なんで和井田と別れたのそして近づいちゃダメなの!?」
「朝から鬱陶しハイテンション乙」
「乙!?千歳くん泣きそう!教室の壁にぶつかった痛さも相乗効果だよ!!」
次の日の朝、教室に入った矢先、友人(親友)の風雅千歳(フウガチトセ)が喧しくオレに飛び付いてこようとした。もちろん避けた。いつもは蹴りかカバンで弾き飛ばすだが、今日は怠かった。
「冬威くんたら、ほんとにつれないわねん」
つん、と頬をつつく千歳の腕をつかみ引き寄せる。
「キスしてやろうか?」
「ひぃい!!」
顔を近付けると千歳が顔を真っ青にしてあとず去った。机がいくつか倒れた。
「あははは!!」
「朝からイチャイチャすんなよな~」
「冬威サイコー!」
「千歳くん乙カッコ笑い!」
オレは無表情に自分の席へむかう。懲りずに、かすかに引き気味の千歳がオレの机の前に立った。
「おまえ、真顔でやめろよな~…」
つか、乙カッコ笑い!じゃねーよ…、とかいってぶつくさ唇を尖らせて文句をいってる千歳に俺は無表情で返す。
「今日のオレは機嫌がいい」
「嘘くせぇつか嘘!!」
「嘘だと思うなら少しはテンションと声のボリュームを下げろ」
そう言い放つと千歳はちぇ、といってオレの前の席の椅子を引いて無断で座る。金澤に鞄で頭殴られるぞ。警告はしたからな。
「……なんだよ」
「なんで、別れたんだ?」
「むこうからだ」
千歳は深くため息を吐くと頬杖をついて呆れたと言った風な顔をした。
「…何人目だよ…」
「…いちいち数えてない」
「オレだってこの半年で二桁こえたときに数えるのあきらめたよ。ぶぇっ!?のすあいれすっ」
「ちょっと、風雅くん邪魔」
「か、金澤…」「おはよ、井川」「おはよう、金澤」「はやくどいて、風馬鹿」「俺の名前は風雅っ!」
とかいいながら渋々その席から退く千歳。金澤は鞄から出していた教科書を机に詰め込んで、鞄を机のフックに掛けると「もういいよ」といって友達のところまで行ってしまった。
「警告はしたぞ」「は?」
「華月と…そんなに付き合ってたか?」
「…あぁ……今回は、三ヶ月も続いたからさ、もしかして諦めたんじゃねーか、っておもったのにな」
千歳がはぁ、とため息。俺は千歳の鼻をつまんでねじった。いたい、いたいいたい、と鼻声で言う千歳。鼻から指をはずす。
「…まだ、あの子を探してんのか?」
鼻をさすりながら訊ねてきた千歳をまっすぐみた。
「…………」
でも、心配そうな千歳の顔を見ていられなくて、顔をわざわざ下に向けて机のなかに教科書を入れる。
オレは、雪夢を愛してるんだ。