ラヴァーズ
親に聞いても、何も教えてはくれなかった。
家中を探っても、それらしき住所やメモ書き、連絡先などは見つからない。
高校生とはいえ、オレは未成年で、行方がわからない人を探すことすらまともにできない。
ここら一帯はすべて、なんども探した。
それでも見つからない。オレは無力だった。
そんなとき、ひとつの電話が掛かってきたのだ。
オレを指定の場所に呼び出したのは、和井田華月だった。
「久しぶりね」
「…あぁ、そうだな」
約、一ヵ月ほどだろうか。もう高校は夏休みに入り、オレはそれを利用してバスや電車を使って遠出をしていた。受験勉強なんてしている時間なんて無駄にしか思えなかった。
そんな無謀なことをしているオレにかかってきた電話。
「…雪夢の場所がわかったってどういうことだよ」
ミルクティーを飲む華月はゆったりとした動作でミルクティーの入ったグラスを机の上においた。
「うおいゆきめさん、だっけ?」
「……あぁ、そうだよ」
多少いらつきはじめたオレをみて華月はくすくすと余裕の態度で笑った。
「……はやく教えろよ」
声が荒々しくなってきた。
華月は少し悲しそうな顔をすると、一枚のメモを差し出してきた。
「…あたしの母、中村医院で働いてるんだけどね。知ってる?隣の県の病院なんだけど、看護師として働いてるんだ。最近新しい患者さんについてるんだけど、その患者さん、ゆきめっていうらしいの。うおいゆきめ」
オレの頭は真っ白になった。
「病院…?」
「えぇ、で、漢字を書いてもらったの」
出したメモを見る。
そこには確かに魚井雪夢、とあった。めずらしい名字だし、名前もめったに居ないような名前だから、
家中を探っても、それらしき住所やメモ書き、連絡先などは見つからない。
高校生とはいえ、オレは未成年で、行方がわからない人を探すことすらまともにできない。
ここら一帯はすべて、なんども探した。
それでも見つからない。オレは無力だった。
そんなとき、ひとつの電話が掛かってきたのだ。
オレを指定の場所に呼び出したのは、和井田華月だった。
「久しぶりね」
「…あぁ、そうだな」
約、一ヵ月ほどだろうか。もう高校は夏休みに入り、オレはそれを利用してバスや電車を使って遠出をしていた。受験勉強なんてしている時間なんて無駄にしか思えなかった。
そんな無謀なことをしているオレにかかってきた電話。
「…雪夢の場所がわかったってどういうことだよ」
ミルクティーを飲む華月はゆったりとした動作でミルクティーの入ったグラスを机の上においた。
「うおいゆきめさん、だっけ?」
「……あぁ、そうだよ」
多少いらつきはじめたオレをみて華月はくすくすと余裕の態度で笑った。
「……はやく教えろよ」
声が荒々しくなってきた。
華月は少し悲しそうな顔をすると、一枚のメモを差し出してきた。
「…あたしの母、中村医院で働いてるんだけどね。知ってる?隣の県の病院なんだけど、看護師として働いてるんだ。最近新しい患者さんについてるんだけど、その患者さん、ゆきめっていうらしいの。うおいゆきめ」
オレの頭は真っ白になった。
「病院…?」
「えぇ、で、漢字を書いてもらったの」
出したメモを見る。
そこには確かに魚井雪夢、とあった。めずらしい名字だし、名前もめったに居ないような名前だから、