だって君が好きだから、
「帰るね」


ぽつりと呟いた言葉は独り言となって空気の中に溶け込んだ。


りゅうき君の邪魔にならないように、と静かに腰をあげた。


りゅうき君は相変わらず背中を向けていた。


少し歩いて、扉の方に向かう。








< 15 / 289 >

この作品をシェア

pagetop