だって君が好きだから、
「おい」


振り返ると、黒い縁のある眼鏡をかけていたりゅうき君。


その姿はあまりにも、似合いすぎている。


いいな、こんなりゅうき君も中学生は見れるのか、

と、こんな時でも中学生に憧れてしまう。


「どこに行く?」


椅子に座ったまま、りゅうき君特有の眉間にしわ寄せをする。


「帰るの」


なるべく、さみしくないですよ、アピールする。


あたしは、りゅうき君のお荷物になるつもりは、ない。


側で支えられる女に、なる。


だから、我慢、我慢。



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