だって君が好きだから、


3時間前―――


プルル、プルル――…


あっ!りゅうき君!

携帯電話のディスプレイに表示された、大好きな名前。


私は、飛びつくように電話に出た。

どうしたのかな?

今日は、残業があるって…


「りゅうきっ!お仕事お疲れ様です。どうかしたの?」


不思議になって1番に聞いてみた。


『すみません…私っ…』


…え?

電話越しに聞こえた、優しそうな女の人の声。


一体、誰…?


「誰ですか?」


……!!

私、今すごく怖かった…

なんか、自分の声がいつもより、少し低く感じる。


やだっ、そんなの嫉妬じゃない、


『えっと、私、柳瀬先生と同じ職場で働いている、音楽科の北村と申します』


「あ、っと…そうですか」



やだ…私嫉妬とかして馬鹿みたいっ


もしかして、りゅうき君が浮気したのかも…


なんて一瞬考えた自分に後悔。
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