だって君が好きだから、
さっきよりさらに、眉間にしわを寄せギラりとこちらを見てくる。


怖い。


「セナは、何もわかってないよ」


わからない、よ。


りゅうき君がなんで怒っているのか、さっぱり、わからない。


「りゅうき、君…」


急に、椅子からガタッと立ち上がったりゅうき君は、フワっとあたしを包みこんだ。


「っ、」


いつもかすかに香っていたりゅうき君の匂いが、抱きしめられて、体中を満たす。





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