Transfer Girl




「ふああーあ」


目を覚ますと時計は午前8時を指していた。


井上圭介はその朝もいつもと何ら変わりなく、日差しのかかるベッドの上で気怠そうに体をおこした。




とりあえず学校行くか…。



何もない。いつもと同じ、それを平和というなら俺は今確実に平和という渦中にいるのだろう。




ただ時々、この平和が無味乾燥に感じられる。



何かこう足りていないような。




そんな気持ちを抱えながらも俺はこの日常をただ受け取る。


どこから、誰が与えるかもわからないそれをただ受け取る。





そんな日々が一生続くのだと、それが平和であり、普通なのだと思っていた。



この日までは…。




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