君の花嫁



私の怒りの怒鳴り声が屋敷に響く。
突然の申し出に驚きと怒りで青筋が立つのが自分でもわかった。
そして、そんなおかしなことを言い出した父をキッと睨む。


「自分が何を言っているかわかってんの!? 知らない人と急に結婚しろって言われても出来るわけないでしょう!?  しかも、私まだ高校生だよ!? こーこーせい! いくら結婚出来るとしだからってそれはあまりにも非常識なんじゃないの? ってか、高校生の娘を勝手に嫁に出す親がどこにいるのよ!」
「悪かった!悪かったけど、もう決まったことなんだ!」
「はぁ!?」


決まったこと……!?

決まったことって、どういうことよ。
怒りで息を荒くする私を父は必死で宥める。
母を見るが母も申し訳なさそうに私を見るだけで、何も言ってくれない。
それは、言外に父と同じ気持ちだということだと悟った。


「真琴ちゃん」


私の呼吸と怒りが落ち着いて来た頃に、雨宮昌平がゆっくりと口を開いた。


「君に黙っていたことは謝る。君の気持ちを考えなかったことも」
「………」



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