君の花嫁



いつからこんなに割り切るのが早くなったのか。
私は新しい制服に袖を通しながら思った。

先週、友達と号泣の別れをしてから数日。
朝から新しい学校の準備をサクサクとこなしている自分に少し呆れる。
まぁ、この数日で抵抗しても大きな力には逆らえないってよく感じているからかもしれないけど。


あ、制服は可愛いかも。
有名デザイナーが手掛けたというブレザーの制服は、スカートがよく見るとチェックで、全体的にもお金持ち学校に相応しい品があるデザイン。
負けてはいないんじゃない?
そんなこと思える余裕のある、鏡の前の自分の姿に苦笑する。


「真琴様。そろそろお時間です」


部屋の外から風間さんが声をかけてくる。


「はい」


割り切ったつもりでも、やっぱりちょと憂鬱。
そればかりは仕方ないだろう。



今日から新しい学校、

私立鳳凰学園高等部に転校です。





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