君の花嫁
「世間にはお二人のことはまだ公表しておりません。卒業してからと決まっています。なので、学校では真琴様は雨宮家の親戚ということになっております。学校では真琴様は、雨宮の姓ではなく綾川の姓です」
信号で停車したときに風間さんはサラリと言った。
親戚か。そうか。
いくら法律上、結婚出来るからといってもまだ私たち高校生だ。
世間の目を気にするのだろう。
なら高校生の時に結婚なんてしなきゃいいのに。
公表も卒業後なら、まだ婚約という形で良かったのではないだろうか。
お金持ちの考えはわからない。
「わかりました」
とりあえず、返事をしたのは私だけだった。