君の花嫁
ひとり理解出来ていない私に男性は笑顔を向ける 。
思わず軽く会釈をした。
「君が真琴ちゃんかな」
「あ、ハイ!」
突然に名前を呼ばれビックリする。
私のことを知っているようだった。
すると、父がやっと話せるとでも言うようなホッとしたような表情で男性を紹介してくれた。
「真琴。こちらは雨宮昌平さん。お父さんの大学時代の先輩で、ame-miyaの社長さんだ」
「えっ!ame-miyaって、あの!?」
名前を聞いて、驚いて大きな声を出してしまった。
だってame-miyaっていったら日本が誇る大企業。世界進出もしていて、主に貿易、最近では機械製品を造っている。
超一流企業の社長がこの人だなんて。
しかも、こんな凄い人とお父さんが知り合い!?
そりゃぁ、一応は一流企業に勤めてはいるけど、でもただのサラリーマンだ。
その父があの雨宮社長と知り合いだなんて思いもよらなかった。