十字架に愛を



「だーめ。」


琉が私を隠すように抱きしめる。


「珠妃の血がなくなる。」


「…は?」


三谷くんは、意味がわからないとでも言うように声を上げた。


「琉、もしかして…。」


「行くよ、珠妃。」


「えっ、ちょっと…。」


琉は三谷くんの言葉を遮って私の手を引いていく。


振り返ると三谷くんが意味ありげに笑っていた。



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