十字架に愛を



「…って誰?」


藤堂くんが私を見る。


「帝に寵愛されながら物怪の贄にされた、悲しい運命をもつ姫だよ。」


松風くんが冷めた声で説明する。


「え…。」


「雨の宮の血が定めた運命はまだ続いてる。


雨の宮の血を引く姫は、今もまだ吸血鬼の餌食って。」



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