朝が待てなくて
――――
暗がりの映画館のシートに樹と並んで沈み込む。
うふふ、嘘みたい。何か夢みたい。
席は真ん中の後ろの方。
一旦真っ暗になったスクリーンに灯が点る。
サホリン、映画始まるよ。
ストーリーは運命に翻弄され、何度も何度も別れては再会し、すれ違う男女のお話。
何度あきらめても惹かれあう心―
それでも一歩が踏み出せず
たった一言が言えずに引き裂かれる二人――
物語の終盤
やっと二人は抑えきれない自分の気持ちから目をそむけずに
運命に抗い、切れた糸を手繰り寄せるように
互いの体を求め合う。
切なく儚いながらも濃厚なシーン…