朝が待てなくて
樹、今だよ。
右隣の樹にいつでも握ってもらえるように、さっきからずっとわたしの右手はちょこんと膝の上でスタンバッている。
なのに彼は微動だにしない。
う…
その場合は自分から行きなさいと、サホリンに言われていたことを思い出した。
ちら、と目をやると樹は…おわっ、腕組みしてるし。
サホリン、無理です。手をつなげません!
ん……?
微動だにしない彼は、もしかして眠ってしまってるんじゃないかという疑問が頭をもたげて…
そっと振り向くと、樹は真っ直ぐにそのベッドシーンを見つめていた。