朝が待てなくて
暗闇の中、スクリーンの明かりに照らされた樹の精悍な顔にドキッとする。
あ……カッコいい…!
とか言ってる場合?
気配を感じたのか、微動だにしないまま彼の視線だけがスッと流れて、バシッと目が合った。うわ…
『I love you…』
スクリーン上では男性が愛しい人にずっと言えなかった言葉をささやいている。
何度も何度も…
目が合ったまま、わたしは何だか動けなくなっちゃって
樹が体をずらしてわたしの耳元に唇を寄せた。
低い声がそっとささやく――
「トイレ行きたいのか?」
ちっ、違うわ…っ!