朝が待てなくて
「恋の悩み?」
「まぁね」
「早くフラれろって」
冷たい眼が、それでも少しだけ微笑った。
「ホント縁起悪いし…」
わたしが口を尖らせると、はは、ってもう一度笑い、大淀は席を立って教室を出て行った。
ちょうどミャンマー達がわたしの席までしゃべりに来てくれたところで、彼女はこんなことを言った。
「あいつ笑うんだねー…。大淀が女子とあーゆーふうに笑ってるとこ、初めて見たかも」
「へ、そうなの?」
「うん、わたし中学から一緒だったけど、あいつすげーモテるわりには超無愛想でさ」
「女嫌いなの?」とサホリン。
「ううん。結構とっかえひっかえつきあってたよ。長続きはしないけど」