朝が待てなくて
「会おうな」って約束した日の前日になって、樹から電話があった。
《明日大丈夫?》ってメール入れといたから、たぶんその返事。
うきうきと電話に出ると、彼の声は何か違ってた。
「あ、真琴?」
「うん」
「明日なんだけどさ…」
気まずそうに口ごもる。
「あ…仕事?」
「いや会えるんだけど、えっと、かぶっちゃって……ゴメン」
「…何?」
話が見えない。
「まだ6月だと思っててさ、俺。
えーっと……市民プールにコブつきで、っていうのは、やだよな?」
「へっ?」