朝が待てなくて
「じゃあ、どういう関係?」
と陸クンが訊いた。
「えーと、真琴は会社の人の子供で、プールに行くっつったら連れてってやってくれって頼まれたの! それだけっ」
「なぁんだ…」
樹が話を強制終了させると、陸クンはがっかりとした声を出した。
何も…そんなに必死に否定しなくてもいいじゃん。嘘ついてまで。
ん?
そのとき、手に何かが触れた。
見ると雫ちゃんが浮輪の中から腕を伸ばして、小さな手でわたしの手をつかんでいる。
心配そうな目がわたしを見上げていて…
うふ、こんなにちっちゃくても女の子なんだね。