朝が待てなくて

「それにな、陸たちに知れたら姉貴とかうちの親にもバレちゃうだろ?」


え…


「ダメ…なの?」


「あはは、いい年して俺が15歳の女の子にちょっかいかけてるなんて知ったら、説教しにすっ飛んで来るぜ」


そんなに…恥ずかしいことなんだ、わたしとつきあうことが。




ひきつったわたしの顔を見て


「また……余計なこと言っちゃったか」


なんて樹はつぶやきつつ、鼻の頭を掻いた。
バカ。





「今月で16歳になるもん…」


ポツリと、わたしは言った。


「そっか、7月だったもんな、誕生日」



去年わたしたちはメールの中だけでお互いの誕生日を祝い合った。


7月のわたしの誕生日と11月の樹の誕生日―


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