朝が待てなくて

「秋になったら紅葉できれいだろうな」


「うん…!」


「日が落ちるのも早まるから、夕焼けが見れるかもよ」


きっときれいだろうなぁ…。



「また来ような」


茶色がかった瞳が優しく覗き込んだ。





一瞬――――

ドキッとして動けなくなる。






彼の指先がそっとわたしの唇に触れ


頬をかすめて

耳元をかすめて


髪を優しく梳きながら
後頭部を軽く引き寄せた。




こ、こ、これは…!?


長身の樹が腰をかがめるようにして……




サ、サホリン! 今? 目をつむるとき??


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