朝が待てなくて
「何で?」
「最近あいつ働き過ぎなんだよ。ここ2カ月は休みもまったくとってないしな」
「えっ、会社が忙しいんでしょ?」
樹にはそういうふうに聞いていた。
お互いに部活や仕事が忙しくてなかなか休みが取れないけど、がんばろうねって…。
「いや、あいつだけだよ。4月からこっち樹はバンバン仕事を引き受けてさ、通常の仕事の隙間にぎっしりと入れていくわけ。そんなペースでやってると体壊すぞって何度も言ってんだけどな…」
祐二さんの顔が困ったような表情になる。
「どうもあいつは借金を一刻も早く完済したいみたいなんだ」
「へぇ…」
「だから俺、てっきりまこっちゃんと借金のことで揉めたのかと思ってさ」
なんて祐二さんは言った。