朝が待てなくて
「ううん」
もう一度わたしは首を横に振る。
「そっか…。じゃああいつ何焦ってんだろ?
まこっちゃんはまだ高校生なんだし、卒業したってすぐに結婚とかって話じゃないだろーに。なぁ?」
け、け、結婚!?
「まさか、まさか…!」
あわてるわたしを見て、ちょっと笑いながら祐二さんが言った。
「じゃあまこちゃんからもあんま無理すんなって言ってやってよ。何せ俺ら体が資本なんだし」
「うん」
うなずくわたしを見て、祐二さんはトラックへと引き返して行った。
発車する祐二さんのトラックに手を振っていたら、後ろからちょこんと頭をつつかれる。
「よ」
低い声に振り返ると、いつもと全然変わらないパッと明るい笑顔があった。