朝が待てなくて
「わたしは…! 疲れたら授業中ボーッとしたり、最悪居眠っちゃったりできるんだよ?
だけど、樹はダメでしょ?」
「いやいや、お前もダメだから」
そう言って彼は笑ったけれど、わたしは全然笑えなかった。
いつも心のどこかに引っかかっている現実が頭をもたげる。
もしも疲れて樹が事故ったりしたら……!?
そして、もしももしも万が一……
「死んじゃ…やだよ」
「バカ、殺すなよ」
笑う樹の顔が、いきなりズドーンと落ちたわたしを見て若干うろたえる。
「死なないし事故らない。休みもちゃんと取るからさ」
なんて、ほら、軽くごまかしにかかってくる。