朝が待てなくて

「そうだよな。もう1年だ」


「うん」


「そりゃお祝いしないとな」


「えっ、ホントに?」


樹は携帯を取り出して、スケジュールの画面をスクロールさせていく。


横からのぞき込むとそこには、地名やら会社名やらホントにびっしりと予定が書き込まれてあった。


「6月の何日だっけ?」


記念の日にちを告げると、彼は申し訳なさそうな顔になった。




「ゴメンな。こっちにいねーわ」
だって……。




結局樹とは6月の最後の日曜、わたしの部活終わりに会う約束をした。


一応それが1周年記念のお祝いデートということで。


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