朝が待てなくて

「そろそろちゃんとあいさつしないとなぁ…」


ポツッと彼がつぶやく。


「えー、まだいいよ」


「隠れてつきあってんのは、やっぱ後ろめたくてさ」




わたしが樹とつきあっていることをうちの両親はまだ知らない。


先に妹の明穂に打ち明けたら『親に言うとめんどいよ』とアドバイスされた。


わたしは男の人とちゃんとつきあうのは樹が初めてなんだけど、妹ながら明穂の方がそういう経験がちらほらあって…。


『あり得ることもあり得ないことも、あの人たちはやたらと心配してくるんだ』


と教えてくれた。


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