朝が待てなくて

「つまり文句を言わずによく働いて、会社の都合でいつでもクビの切れる要員な」



なーんてことを以前説明されたけど、実はあんまり意味がわかってない。へへ。


とにかくまぁ、将来的には正雇用にシフトしていきたいみたいなんだけど


少なくとも借金を完済するまで、樹はこのままの感じで続けるつもりなんだろうと思う。


不安定ながらも収入がいいのなら…。




「俺ら体壊したら即アウトだしな。23歳にもなって何の保証もないし貯金もない。あるのは借金だけだ」


むしろさっぱりとした口調で樹は言った。


「大事な娘を持つ親にしたら、そういう男を“悪い虫”って言うんだぜ、たぶん」




見終わった写真をわたしの方へよこして、彼はまた食事を続ける。


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