朝が待てなくて
「だから…?
だから樹は無理して仕事をするの? 借金を早く返してしまいたいの?」
お花見以来バンバン仕事を受けるようになったって、祐二さんが言ってたよ?
真剣なわたしの声に、彼はちょっと驚いた顔をした。
「そんなんじゃないよ」
口調の穏やかさに表情が追いつくように微笑む。
「わたしやだよ。樹に無理して欲しくない!」
その言葉には直接答えずに樹は突然カラッと言った。
「そーんなちっちゃな口だから食うの遅いのか?」
「えっ?」
テーブルを見ると、あんなにたくさん注文した樹のお皿はすべて完食済みで
わたしのミニ牛丼はまだ半分以上残っていた。