朝が待てなくて

でも樹は一人で……


お給料の半分強となる毎月の返済額を
淡々とこなしてきたんだよね。


3年間、毎月欠かさず。




自分が借りたわけでもないそのお金を返すために


悔しい気持ちも
言いたい言葉も


全部飲み込んで――





「あと…何年あるんだっけ?」


主語がないから通じないと思ったその問いかけに、樹は即答した。



「あと3年で完済」


3年……。




サラッと当たり前のようにそう言える樹は
すごく強い人だと…あらためて思うよ。


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