朝が待てなくて
「いや俺だってこんな格好だし、そんなに格調の高いとこへは行かないって。で、何食うの?」
「えっ、わたしが決めていいの?」
「おう。何でも言え」
と樹が胸を張る。
「だったら、ビクドンのハンバーグ! こないだからずーっと食べたかったんだよね。チーズがトロッととろけるやつ!」
喜び勇んでそう答えたら、樹はガクッとずっこけた。
「そ―ゆーんじゃなくて、イタリアンとかフレンチとかないの? 肉とか寿司とか懐石とか」
「だって……それが一番食べたいんだもん。ダメ?」
「別にダメじゃないけど…」
樹なりに豪華なお店を何軒か調べておいてくれたみたい。ゴメン。