朝が待てなくて
「じゃあハンバーグ食ったら服でも見に行くか? 何か買ってやるよ」
きっと樹は今日のためにお金をキープしておいてくれたんだね…。
借金の返済があるから、自由に使えるお金なんて限られているだろうに
心がじんわりとあったかくなる。
「あのね、服じゃなくておそろいのストラップが欲しいんだ。駅前に可愛い雑貨屋さんがあるから一緒に見てもいい?」
「ストラップ?」
と樹が訊き返した。
「真琴、もしかして気ぃ遣ってんのか?」
「へっ? 何が?」
「いや…」
少し困った顔をして、彼は言葉を切った。
「じゃーまぁとにかく、あとで買い物な」
ポコンと大きな手が頭をなでてくれた。