朝が待てなくて

「今日はストラップが欲しいだけ」


小さな声でそう言うと、樹はわたしをじっと見て…


やっぱり頭をポコンとなでてくれた。


「…そっか」





お互いに相手のストラップを買ってプレゼント交換するという、幼稚な趣向にもつきあってくれて


だけど雑貨屋さんを出てビクドンに着くまでの間、樹はあまりしゃべらなかった。




もしかして、怒ってる?


せっかく買ってくれるんだったのに「いらない」なんて言っちゃった。




それとも傷つけてしまったんだろうか…?


樹のお金のことを気にしてるって、バレバレだったのかなぁ…。


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