朝が待てなくて
だけど……
今日は記念日なんだよ。
なんでそんなに働かなきゃいけないの?
お花見以来、樹が休みも取らずに仕事をするようになったのは、1日も早く借金を完済したいからだろうって、祐二さんから聞いた。
早くわたしの親にも挨拶できるように、とか考えてくれてるのかと、勝手に思っていたけれど……
ホントにそうかな?
もう無理しないで、ってちゃんと話したのになんで無理しつづけるの?
しばらくそのことをぼんやりと考えていた。
ふと、嫌な考えが頭をよぎる。
「樹……。美里さんがダンナさんに手を上げられてるって話、いつ聞いたの?」
「ああ? この前の花見のときに香美が口をすべらせたんだ」
「……やっぱりだ」
つながってしまった。