朝が待てなくて
朝、ヌボーと起きて、身支度を整える。
ごはんを食べたり時間割をそろえたりしながら、だんだんと意識が覚醒されてきて……
それにともない、ただただどーんよりと落ち込んでいった。
あれは夢?
じゃないよね?
『ミサ……?』ってささやいた低い声――
まだ耳に残ってる。
樹……美里さんから連絡あったんだ?
ケータイが鳴ったら彼女からだって思い込むほど、何度も電話したの?
それとも彼女のことばっか考えてるから、間違えちゃった?
そんなあれこれが頭の中を支配していく。
駅まで歩いて、電車に乗って、満員の乗客の一人になり、もみくちゃにされても、そのことが頭から離れなかった。