朝が待てなくて
何だかよそよそしいメールをもらって、気になって電話したんだよ。
ちゃんと、樹の気持ちを聞きたかったんだよ。
だけどもう、そんなことを話せる気分じゃなくなっていて
「べつに……」
と小さく答えた。
「…………」
「…………」
「……まだケンカ中か?」
他人事みたいに樹が訊いた。
その言葉には直接答えずに、わたしは自分の質問をかぶせる。
「美里さんから……連絡あったの?」
一呼吸おいてから、「うん」と彼は答えた。
「なんて言ってた?」
「ん? まぁ……いろいろとな」
「わたしには言えないんだ?」