朝が待てなくて

何だかよそよそしいメールをもらって、気になって電話したんだよ。


ちゃんと、樹の気持ちを聞きたかったんだよ。




だけどもう、そんなことを話せる気分じゃなくなっていて


「べつに……」


と小さく答えた。


「…………」


「…………」


「……まだケンカ中か?」


他人事みたいに樹が訊いた。




その言葉には直接答えずに、わたしは自分の質問をかぶせる。


「美里さんから……連絡あったの?」


一呼吸おいてから、「うん」と彼は答えた。


「なんて言ってた?」


「ん? まぁ……いろいろとな」



「わたしには言えないんだ?」


< 398 / 771 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop