朝が待てなくて

今度は長い沈黙――。




それから樹はボソボソと話し始めた。言い訳みたいに…ね。


「昨夜、眠る前に美里から電話があって話してたんだけど、あいつ、ダンナが帰って来たから途中で切ったんだ。またかけるって」


「ふうん……」


「だから続きがかかってきたのかと思ったんだよ、俺寝ぼけてたし…。すぐに切れたのも、やっぱダンナがいて電話はマズイんだろうなって、気にしてなかった」


ふうん……。




「わたしに電話くれる時間はなくても、美里さんとしゃべる時間ならあるんだ?」


「……タイミング的にそうなっただけだろ」


「どーだか」


ひねくれた言い方になる。


< 400 / 771 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop