朝が待てなくて

チョンチョンと肩をつつかれる。


顔を上げると、いつもどおりにムスッとした顔の大淀が突っ立っていた。




「拾ってやろうか?」




ニコリともせずにそう言った彼の言葉の意味を理解するよりも先に、大淀がわたしの手を引いて歩き出した。



「お、大淀?」



呼んでも知らんぷりで、彼はスタスタと歩いて行く。


彼氏に捨てられたら『速攻拾いに行ってやる』って、以前そう言われてたのを思い出した。


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