朝が待てなくて

「あんたたち、元々うまくいってたんだし、1年間ケンカしたことがないだなんて、そのほうが奇跡的じゃん」


「う……ん」




ケンカしなかったんじゃなくて、ケンカにならなかっただけだよ。


わたしは普通にスネたり、つっかかったりしてたもん。


でも樹は全然取り合わないで笑っていてくれたから、ケンカになんてならなかった。


怒った顔の樹なんて、今まで知らずにいたんだもん……。




けど、今回はちがう。




ホントはわたしにだってわかってるんだ。


美里さんが今抱えている問題は、スルーできるようなことじゃないって。


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