朝が待てなくて

美里さんだって、そう。


樹と同じ顔して笑う、きっと優しい人だ。


人の彼氏を奪っちゃうようなことはしない人。


だけど、やっぱし樹のこととなると特別な気がする。



4年間つきあっていた運命の二人……。




「あのさ、海、樹クンも誘いなよ」


不意にサホリンが言った。


「真琴ナーバスになりすぎだってば。逆に引かれちゃうよ?」


グサッと突き刺さるそのひと言。




「ちゃんと楽しいデートをしなくっちゃね」


なんてサホリンは笑った。


「それにさ、クラスの男子とグループで海に行く、なんて話したら、樹クンだって穏やかではいられないんじゃない?」



「…………そうかな?」


「そーだよ」


そう断言してから、サホリンはポリポリって鼻の頭をかいた。


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