朝が待てなくて
■ 忍び寄る影
夏の終わり
約束通り、その夏、樹とわたしはいっぱい遊んだ。
週末にはデートして
そうそう、雫ちゃんや陸クンと一緒にプールにも行ったよ。
週中にもタイミングが会えば、樹はよく誘ってくれるようになった。
学校帰りに彼の会社で待ち合わせるってやつね。
「仕事減っちゃってヤバいぞ」
なんて樹はおどしてくるけど、わたしはこのくらいがちょうどいいと思っている。
ずうっと働きづめで心配だったもん。
収入が減ると困るのかもしれないけど、
会うと樹はいつも優しくて、それがただひたすらうれしかった。