朝が待てなくて
わたしたちが歩く左側には国道が走っていて、まばらに車が流れていく。
白いライトが闇に映えて、とってもキレイ。
不意に大淀の足が止まり、つないだ手がスッと離れた。
「ん?」
横を見あげると、流れるライトに照らしだされる大淀の顔から、笑みが消えていく。
彼の視線の先では、ちょうど信号待ちが終わった1台の大きなトラックが、こっちに向かって走りだしたところだった。
そのトラックは1台だけ走行車線を外れて、わたしたちの真横の路肩にスーッと静かに停車した。