朝が待てなくて
一番大切な人
樹のいなくなった小さな部屋で、もう一度ベッドにもぐりこみ、少し眠った。
自分ちのベッドとは全然違う感覚。
何だか樹に包まれてるみたい。
目を覚まして制服に着替える。
彼のいないこの部屋を見渡して
結婚したらこんな感じかな? なんて思ったりした。
可愛い奥さんのように、ずうっとここで彼の帰りを待っていたいけれど、今日は部活。がんばろう。
家を出るとき、鍵をしめてそれをポケットにチャリッと滑らせた。
フフ、うれしいな。
今日の仕事はそんなに遅くはならないみたい。
戻ったら連絡くれるって樹が言ってた。
部活終わってここで待ってたら怒られるかな? なーんて。