朝が待てなくて
明日樹は警察に行って、事情聴取とかトラックの引き取りとかしなきゃいけないらしく、祐二さんはこっちに残ってそういうのにつきあってくれるんだって。
「樹もぴんぴんしてるんだろうけど、トラックの運転は念のため俺がして帰るから」
わたしを安心させるように、そう言ってくれた。
移動に使う祐二さんのワゴン車とその運転係の香美さんも、こっちに残ってくれるらしい。
「二人だと適当に泊まれるしさ」
なんて祐二さんが笑った。
そうして残された香美さんの軽自動車は、美里さんが運転して今から東京へと戻る。
香美さんと美里さんは、初めからそうするつもりで二人で来たんだとわかった。
わたしだけが何の役にも立たないただの子ども。
「じゃあ行こっか、真琴ちゃん」
どーやら美里さんの任務には、わたしを東京へ送り届ける、というのも入ってるようだ。
このまま残って樹と帰りたい、と思ったけど、そんな子供じみたことはやっぱ言えない。