朝が待てなくて
「祐二さんに電話した?」
「ああ。昨日来てくれたんだって、真琴?」
「うん」
「起こせばいーのに」
「へへへ。寝顔が可愛かったからずっと見てたの」
そう答えたら、涙がこぼれた。
「真琴」
「ん?」
「俺、すっげー寝たんだ」
なんてボソッと言う。
「知ってるよっ!」
思わず大声をだしたら、樹がブハッと笑った。
「心配かけてゴメンな」
「もうこんなのやだよ?」
「お」
どうやら樹は病室からこっそり電話をかけてるらしく、いつもより声が密やかだ。
「まだ起床時間になってないし、看護師さんに叱られちゃうからな」