黒ノ守り神
「そうしたいのは、やまやまなんだが、一応お偉方だからな。それに馬鹿は、死んでも治らない。」
冬也も馬鹿にするように笑った。
春斗も、「そりゃそうだ」と笑った。
「じゃあ、黒神も戦地に行くのか?」
「あぁ、だが戦うのは、緑川一族だけだ。よって、黒神幹部全員は、行かねぇよ。行くのは、四季官だけだ。」
幹部とは、暗殺、隠密、策略、始末、情報、技術開発の隊長のことである。
そして、四季官とは、副長補佐の春斗、隠密部隊隊長の夏希、暗殺部隊隊長の秋久、そして副長の冬也。夏希と秋久は、冬也の妹と弟である。ちなみに末っ子は夏希だ。
このように、春夏秋冬と並んでいることから“四季官”と四人は言われている。それを聞いた春斗は、つまんなそうに笑った。
「戦わないんじゃ、俺達行く必要無いんじゃねぇか?誰も斬れないんじゃ、黒神として恥ずかしい」
「俺も恥ずかしい。白神にも馬鹿にされそうだしな。だが、万が一という場合もあるかもしれないだろ?」冬也は、ニヤリと妖しく笑った。
「念には、念をってか。分かった。幹部のみんなに言っとく。」
春斗は、冬也が言った意味が分かったように妖しく笑った。
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