ありふれた恋を。

先生から掃除に関するSOSが来ないまま、いよいよ明日から夏休みだ。

根を上げていないことを思えば、順調に部屋は綺麗になっているのだろう。


先生の部屋か…

外でデートができない分、この夏休みは沢山一緒に過ごしたい。


お兄ちゃんは香奈さんの部屋に行くことを両親に話していなくて、だからお兄ちゃんの部屋に行くと言えば家を空けても怪しまれないだろう。


どうしよう、着替えとか持って行っちゃう?

いや、それはさすがに気が早いか。

でも料理とか作るくらいなら良いかな。

お兄ちゃん程の豪華な料理は出せないけど、簡単な料理ならそれなりにできるし。



『なーにニヤけてんの。』


そんなことを1人考えていると、里沙が顔を覗き込む。

危ない、ニヤけてしまっていた。



「べ、別に。明日から夏休みだなーって思っただけ。」

『本当!やっとだよー。』


里沙は彼氏と沢山出かけるんだと張り切っていて、その様子が少し羨ましかった。


< 165 / 264 >

この作品をシェア

pagetop