ありふれた恋を。
「だって、本当のことだもん。」
先生のことを追いかけていた頃から思うと、こんな風に先生の腕のぬくもりを感じられていることが信じられない。
「先生は…寂しくないですか?」
先生と付き合ってきた日々の中で、先生のことを沢山知ってきた。
だけどまだまだ知らないことの方が多い。
先生がどんなことに喜び、どんなことに悲しんで、どんな日々を求めているのか。
もっと、もっと知りたい。
『寂しいよ、学校で有佐を見れなくなるのは。』
「そうなの?」
『先生は夏休みとか関係ないんだよ。』
思っていたよりもあっさりとストレートな言葉が出てきたことに驚き、可愛いなと思う。
『でもその分ここで会うから良い。俺だって、一緒に居られるだけで幸せだし。』
「先生。」
たった一言、同じ気持ちだと知れただけで言葉に表せない程の喜びが込み上げてくる。
大丈夫。
先生はどこにも行ったりしない。