ありふれた恋を。

完璧教師の不覚。


【hiroto side】


『弘人?』


仕事を終えて帰宅する途中、立ち寄ったスーパーで声をかけられた。



「え、賢太?」


そこに立っていたのは、大学の同級生で同じサッカー部の友人だった。

スーツ姿でカゴを持ち、中には缶ビールが数本転がっている。

同じように仕事終わりのシャツ姿でカゴを持っている俺の手には、可愛いらしいピンクのパッケージのチョコレート。



『超久しぶりだな!元気かよ〜。』


満面の笑みで近寄ってくる賢太に気付かれないようチョコレートを棚に戻す。

夏波から部屋に行くと連絡が入っていたのでこれを買ってから返信しようと思っていた。



「まぁ元気だけど。お前なんでこんなとこいんの?」

『相変わらずクールだなお前。感動の再会なんだからもっとリアクションしろよ。』


俺の肩をポンポンと叩きながら賢太は出張で来たのだと説明した。

賢太は大学卒業後は就職の為に地元へ帰っていた。


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