ありふれた恋を。

この人と付き合えるのは、どんな女性なんだろう。

先生は、どんな女性を好きになるんだろう。


想像でしかないけど、前の彼女はきっと綺麗で頭が良くて素敵な人だったに違いない。

先生って、恋をするとどんな感じになるのかな。



『なぁ、有佐。』

「はい。」


不意に先生が私を呼んだ。

いつもの先生っぽくない呼び方に私の声も自然とワントーン下がる。


彼女の名前も、こんな風に呼ぶのかな。

って、何考えてんだ私。


そんな妄想をしていると、先生が呟くように言った。



『有佐は、彼氏いるのか?』


予想外の質問すぎて一瞬固まってしまう。

そういう話は、さっき終わったんじゃないの?



「い、いません!いるわけないです!」


いるわけないでしょ、先生が好きなんだから。



『そっか。』


何、その意味深な返事…。



「…どうせ私は報われない片想い中ですよ。」

『え?』

「…え?」


…え?

私、今…

変なこと言っちゃった?


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