ありふれた恋を。

普通生徒の未来。


ー2年後ー


弘人さんと出会った高校を卒業して、私は大学生になった。

弘人さんとの付き合いももう3年目になる。

卒業と同時に実家を出て、弘人さんと住み始めたのはまだほんの3ヶ月前。


朝起きたら弘人さんが居て、毎日「おかえり」と言えて、一緒にご飯が食べられる。

それだけのことが本当にかけがえなくて大切で。

守りたいと思える人と生活があることは本当に幸せなことだと思う。



『なつはー!』


キャンパス内の広々とした芝生に座りお弁当を広げる私を呼ぶ声が聞こえる。

声の方を見るとこちらに走ってくる彩ちゃんが居た。



『はいこれ、あげる。』

「ありがとう。」


当然のように隣に座った彩ちゃんは私の分までペットボトルの紅茶を買ってくれていて、自分も同じものをごくごくと飲んでいる。



『今日も綺麗なお弁当だね〜。』


喉を潤した彩ちゃんが私のお弁当箱を覗き込んで卵焼きをひとつ摘んだ。



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